ハンドビルドホイールの目標

より良いホイールを探している全ての方へ

株式会社マツシマ板橋支店の宮川昂平(みやかわこうへい)と申します。

ゾンダ・レーシング3・キシリウムエリートに施された工夫を私なりの解釈でハンドビルドホイールに反映させるには。というお話しです。

目標としてはキシリウムエリートのような、高剛性で反応性の高いハンドビルドホイールを作るということになります。
高剛性で反応性の高い完組ホイールは、上記の他にも、シャマル、レーシングゼロ、キシリウムプロなどに代表されるアルミスポークのホイールや、ライトウェイト、バイクアヘッドなどの炭素繊維強化プラスチックで作られた、フレ取りって何?・・・的な高性能ホイールがありますが、あれらは完全に別の次元のホイールなのでハンドビルドでは太刀打ちできません。私も初代レーシングゼロをまだ大事に持っていますが、「マネするのムリだわ」と正直に思います。

一方で、カーボンリム・スレンレススポークで組み立てられている完組ホイールには、何とか太刀打ちできる場合もあります。
過去に市販されているカーボンリム・ステンレススポークの完組ホイールを分解して、リムだけ残して、ハブとスポークを新調して再組立のご依頼をいただいたことがありますが、納品後、お客さまがライドに行かれた際の感想で「別物になった!」と、ありがたいお言葉をいただきました。構造上の制約で全ての完組をいじれる訳ではないのですが・・・。
正直なところ、もともとの完成度が高くなければ、イケます。それこそ完成されているマヴィックのxxxプロカーボンSLとかは組み替える意味がありません。

という前提を設けて、アルミリム・ステンレススポークで作るハンドビルドホイールを作ろうと思います。
まず、前回のまとめで書き出した項目ですね。右側のスポークの対頂角を小さく、左側のスポークの対頂角を大きくする。オフセットリムを使う。
左の対頂角を大きくすることは、以前トイレットペーパーの記事でご説明したことを思い出してください。
ハブフランジに対してスポークが接線方向に延びるようにスポークパターンを決めます。
ここで注意すべきことは、対頂角を大きくすればするほど良いということではなく、接線方向にどれだけ近いかが大事です。
私がハンドビルドホイールのご注文を頂く際には、リアハブには24穴のハブをご提案することが多いです。
多くのライダーにとって、ホイールとしての重量と剛性感などのバランスがよくなると考えています。
今回のホイールもリアは24本のスポークで作ることにします。

さて、話を接線方向の話題に戻します。
24穴の場合、対頂角が大きくなって、さらに接線方向に最も近くなるのは3クロスと呼ばれるスポークパターンです。
3クロス・・・タンジェントの1本のスポークが、ハブフランジからリムまでの間に、他のスポークと何回交差するか、を数えたもの。
3クロスなら対頂角の交点を含めて3回交差していることを表します。

24穴3クロスの例

もし28穴のハブであれば4クロスでもホイールとしてくみ上げることはできるのですが、ハブフランジ側の交差でスポーク同士が大きく干渉することがありますから避けています。
多くの場合、28穴は3クロスを選ぶことになります。
32穴となると、大きな干渉が起きずらくなるので4クロスも組めることが多くなります。

続いて、右側の対頂角を小さくするのですが、イソパルスのようにラジアルにはできません。
ホイールの形にはなりますが、問題がいくつか起きるので使うことは難しいです。
ハンドビルドでよく使うスポークはベンドスポークというスポークで、ハブフランジのところで曲がっているスポークです。
このベンドスポークをリアホイールでラジアルにすると、タンジェントに比べてハブフランジのところでスポークが折れやすい傾向があると感じています。
また、ベンドスポークで右側をラジアルにすると、ダンシングでリアディレーラーとスポークが当たるなんてことも起きるので、使うことは難しいです。

つぎに、ラジアルがだめなら1クロスなら・・・となりますが、これもスポークの交点を自然にアヤトリするのが困難なので、ラジアルと同様に使えません。
というわけで、右側のスポークは2クロスになります。
左側は3クロス、右側は2クロス。このスポークパターンにオフセットリムを合わせると、ブレースアングルの左右差を軽減して横剛性と剛性感のあるハンドビルドホイールのスポークパターンが出来上がります。

この他にあと2つ、工夫できることがありますが、今まで解説していない事なので、別の記事にまとめます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました